2月から3月にかけては、3年生にとっては大学受験という勝負の時期です。
そのような先輩の動きを見ながら、1年後あるいは2年後の自分の将来を想像する後輩たちも少なからずいることでしょう。とはいっても、大学受験はまだまだ先のような気がして、緊迫感をもった人はそこまでいないと思われます。
けれども、大学受験へのカウントダウンはすでに始まっています。今回は、学年末の時期に、1年生および2年生がもつべき心構えについて紹介します。
学年の総仕上げとしての時期
この2月や3月はいわゆる年度末であり、学年末と呼ばれる時期であり、現学年の総仕上げの時期ともいえます。もちろん即大学入試があるわけではありませんが、来るべき大学受験に向けた取り組みの中で、今しかできないことはあります。それについて解説していきます。
【取り組み①】現学年としての評定を整える
「調査書」とは?
最近は、国公立大学の入試ですら「書類審査」が入試で得点化されるようになってきました。国公立大学の入試といえば、かつては完璧に各教科の試験の得点のみによって合否が決められたものです。
ところが、今は書類審査が入っているのです。つまり、受験生の人間性や高校における取り組みについても評価をしようという動きが見られるということです。
「書類審査」で謳われている「書類」とは何のことでしょうか?
それは「調査書」と呼ばれる書類のことを普通はいいます。
地域によっては「内申書」といっているかと思います。
調査書とは、高校から大学(正確には4年制/6年制大学をはじめ、短大・専門学校・就職まで)に願書とともにつけられる提出書類のことです。
これは高校3年次の担任の先生が高校3年間にわたるその生徒の取り組みなどをまとめた書類です。
主に成績・出席日数・所属クラブ・委員会活動・学校での取り組みや姿勢などが3年分まとめられたものです。
この書類は高校で作成される段階で厳封されるため、親御さんはもとより受験生本人すら中を見ることができません。
ですから、受験生本人や親御さんにしてみれば、「内申書に響くから、おとなしくしておく」といった言い方はよくされるも、具体的にどのようなことをすればよいのかがイメージされにくいという現状があります。
ですので、将来的に調査書の具体的な詳細や、それに対しての具体的な対策や裏技については、将来「コンテンツ」として販売をさせていただこうと思っていますので、そこで説明いたします。
その調査書の中身で最も重要視されるであろう項目が「評定」です。
要は学業成績です。
各学年でどの科目を履修し、評定がいくらだったかがまとめられます。
審査する書類の花形「評定」とは?
つまり、評定を良くしておけば、入試に有利であるということです。
一般選抜入試では得点化という程度でいいのですが、いわゆる推薦入試では、その入試自体を受けられるのかという「評定基準」が各大学で定められているため、それをクリアーしなければ、入試という土俵にすら立てません。
入試のカギを握るといっても過言ではない「評定」とは何かという疑問をもたれておられる方もおられると思いますので、まずは評定から説明します。
評定とは、履修した科目の年間を通しての評価であり、成績が良い順に5,4,3,2,1の5段階評価となります。
各科目、100点満点で評価した点数によって評定がいくらなのかが決まっています。
これは学校ごとに評価方法や評定の基準となる点数が異なっています。
評価する内容は、具体的には定期試験の点数・確認テストや小テストの点数・授業中の態度や姿勢・課題の提出物の状況などです。多くの科目の場合、そのベースとなる点数は定期試験の得点です。
これらの評価法は、中学校時代は「相対評価」でした。
相対評価とは、学年の生徒を成績順で並べた時に、上位◯%の生徒が評定5、次の△%の生徒が評定4、…といった評価法です。この評価法の場合、いくら試験の得点を上げても、周りも得点を上げて、自分よりも高い得点を取っていれば、評定は上がらないという性質があります。ですから、なかなか努力が結果として出にくい面がありました。
ところが、高校の場合はおおかた「絶対評価」です。クラスや学年の平均点がいくらかに関係なく、自分が何点を取ったのかによって評定が変動する評価法です。この場合、とにかく自分が何点を取るのかで評定が決まりますので、自分ががんばれば評定を上げることが比較的可能です(逆に油断をして悪い点数をひょっこり取ってしまえば評定が下落します)。
では、評定は基本的にどのように計算されるのかについて解説します。
かつてはどの学校も3学期制で、定期試験は年に5回ありましたので、統一された方法で良かったのですが、最近は2期制(前期・後期)に分けられたり、定期試験が年に4回になったりしている学校も増えてきました。極端な話、定期試験を完璧に撤廃している学校もあります。ですので、それぞれの評価の方法は、詳しくは学校の方法をお聞きください。
ここでは一般的な3学期制の場合の例を紹介します。
仮に次のような取り決めになっているとします。
- 評定の得点基準の例
80点~100点 評定5
65点~ 79点 評定4
45点~ 64点 評定3
30点~ 44点 評定2
0点~ 29点 評定1 - 定期試験の例
1学期中間試験(主要科目)
1学期期末試験(全科目)
2学期中間試験(主要科目)
2学期期末試験(全科目)
学年末試験(3学期・全科目)
評定はまず各学期の評定を算出します。
1学期の評定
主要科目 1学期の平均点={(1学期中間試験の点数)+(1学期期末試験の点数)}÷2 ⇒ 評定化
主要科目以外 1学期の平均点=1学期期末試験の点数 ⇒ 評定化
2学期の評定
1学期と同じ
学年の評定
学年の平均点={(1学期の平均点)+(2学期の平均点)+(学年末試験の点数)}÷3 ⇒ 評定化
※定期試験以外の評価(「平常点」などとよびます)は適宜加減します(得点の上限は各学校で定められています)
さて、何点からが評定5か、定期試験はいつ行われるのか、最終的な評価法はどうするのかなどについては、学校に聞くこともできますが、最も手っ取り早い方法はズバリ「生徒手帳を見る」です。
1学期と2学期の点数を基に決められる、学年の評定を意識した学年末試験対策
評定について解説をしてきましたが、学年末試験に臨む際の心構えについて、今回も3学期制の場合を例に解説をします。
学年末試験の前の段階ではすでに1学期と2学期の点数は出てしまっています。
ということは、学年末試験でいくら取れば、学年としての評定はいくらになるのかがおおかたわかるということになります。
前述した学年としての評定の計算法は以下のとおりでした。
学年の平均点={(1学期の平均点)+(2学期の平均点)+(学年末試験の点数)}÷3 ⇒ 評定化
簡単にいうと、3つの学期の点数の平均点ですね。
この計算式はすなわち次のようになります。
学年の平均点×3=(1学期の平均点)+(2学期の平均点)+(学年末試験の点数)
たとえば、1学期の平均点が78点、2学期の平均点が76点で、3つの学期の点数の平均点が80点以上で評定5であるとします。この人は学年末試験で何点以上取れば良いのかを考えてみましょう。
評定の計算法は
「3つの学期の点数の平均点が80点以上で評定5」
でしたが、ということは
「3つの学期の点数の合計点が240点以上で評定5」
ということになります。
つまり、
78+76+(学年末試験の点数)≧240
ということとなり、この場合、学年末試験で86点以上取れば良いことがわかります。
普段よりもプラス10点ほど取れば、評定5になるので、がんばれば可能でしょう。
このような計算を全科目で試算してみれば、それが具体的な学年末試験の目標点数とできます。
今まで「試験があるからがんばる」という考え方をしてきていませんか?
でもよく考えてみましょう。
試験でがんばるのは当たり前ではないでしょうか?
また、何をどうがんばれば良いのでしょうか?
これはかなり曖昧で、目標や意気込みとしてはかなり弱い言葉であり、行動につながっていかないものであることがわかると思います。
この計算法に則れば、科目ごとの具体的な対策がとれるのではないでしょうか?
【取り組み②】 欠席日数を極力出さない
冬のシーズンでは、何かと風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなります。調査書では、「欠席日数」も各学年次の分を記載することになっています。
学校の休みは、大きく分けて「欠席」と「出席停止」とがあります。
「出席停止」とは、やむなく学校を休まなければならない理由がある場合に適用されます。たとえば法定伝染病(下の画像参照)にかかった場合、家族の冠婚葬祭に出る場合がおもなケースです。時には大雪が降って登校できなかった場合や、(これはあってはなりませんが)問題行動などにより自宅謹慎となる場合などもあります。最後のケースはまさしく「内申書に響く」ので、本当にやめてください。
(出典:「学校感染症による出席停止について」)
(出典:「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知)」)
一方風邪などは「欠席」扱いになります。
欠席は他にも持病やけがの通院、体調不良などの理由が主な内容です。
書類審査においては、「欠席」日数を見られます。
もちろん日数が少ないに越したことはありませんが、人間ですから、調子が悪い日もあります。ただ、生活習慣や精神衛生管理、積極的な気持ちなども多少影響しますので、0に近づけていきましょう。
どんなに多くても学年で1桁に収めたいところです。
1年間欠席・遅刻・早退がなければ「皆勤」が、それに準じてこれらがかなり少なければ(これも学校での決まりをご確認ください)「精勤」と認定されます。
これらは調査書に書ける内容です。
欠席日数に関しての詳細についても、「コンテンツ」の販売内容でまとめますので、それが世に出てから、どうぞそちらでもチェックください。
【取り組み③】学習内容の総仕上げ
学年末試験が終われば、しばらく試験たる試験もありません。けれども学年最後の授業の時間まで学習内容は進みます。
それを「消化試合」みたいな感覚でいれば、非常にもったいないです。
そのような人に私はいつも言っているのです。
「誰かに評価されることは一生懸命にやって、そうでないものは手抜きするの?」
たしかに多くの人は、大きな試験が終わって一安心するでしょう。
けれども、受験の鉄則です。
みんなが油断しているときこそ全力で進め
確かに中には学年末試験のためにしばらく部活動が休みだったから、学年末試験が終わったら、そちらに全力シフトするというという生徒さんは多いでしょう。
その生徒さんは、大いにそうしてください。
部活動も大切ですから。
学習面では、現学年でまだ苦手意識をもっているところや、記憶があいまいな場所、授業での説明を聞いていて難しいと感じたところを中心に復習を徹底させましょう。
学年ごとの課題
高校1年生と、高校2年生では、次の学年までの間の準備をするという点では同じですが、ことに受験を意識したとき、多少取り組み方が違ってきます。
1年生の場合
高校生になって、最初の1年を終了します。年度の最初は、まず高校の生活に慣れるので精いっぱいだったり、授業についていくために相当緊張しながら受けたりしていたでしょう。また、部活動をしているところは、先輩や同級生との関係作りから苦労したに違いありません。
学習に関しては、基礎中の基礎を1年間学習してきました。とはいえ、国英数の3教科の構築にとにかく追われたという実感があるのではないでしょうか。
ただ、大学受験の範囲としては、それらは1年生・2年生の内容が中心となるため、範囲的にはもう半分近くは終わったということになります。しかも、次の2年生の内容は、学習してきた1年生の内容をふまえて理解していかなければならない分野もあります。そういう意味では、しっかりと1年分の確認をしていかなければならないでしょう。
また、共通テストを受ける予定の人は、理科と地理歴史・公民もついてきます。これらの教科は2年生から本格的に学ぶので、いつまでも国英数で足を引っ張られていては、効率的に学習は展開できません。
また、2年生になると、1年生の復習は授業ではしません。それはあくまでも家庭学習の際に自分でやっていかなければなりません。つまり、2年生になったら、「1年生の復習」と「新しい履修内容の理解」の2つを同時進行させなければならないことを肝に銘じておきましょう。
2年生の場合
落ち着く間もなく、もう3年生になります。受験生としての自覚、最高学年としての自覚を身につけて、普段の生活を送る必要があります。
また、部活動をしている人は、早いうちから県レベルの大会が行われるため、練習などでものすごくハードな毎日となることでしょう。強い精神力と体力が必要となります。
学習面では、すぐに演習モードに入らなければならないでしょう。
できることなら、夏休み中までには国英数の学習の目星をつけ、基本事項は確実に身につけ終わっておくことが大切です。秋から理科と地理歴史・公民の学習を本格化させなければならないからです。
初夏には学校では三者面談が行われるでしょう。その際に自分の志望校および受験形式をある程度絞ってしまっておくことを前提に準備を進めていきましょう。
また、6月頃には、大学のオープンキャンパスも開かれるため、積極的に出席しましょう。参加できれば、大学へ行きたい気持ちが強くなり、高いモチベーションを得られるからです。
次の学年の「0学期」に何をするかが問われる
学年末試験が終わったら、肩の力を抜くのではなく、今は1年生は「2年生の0学期」、2年生は「3年生の0学期」という意識をもって、もうスタートを切っている感覚でいて欲しいものです。
早いスタートはより良い結果をもたらします。
そこにつながるための取り組みを考えて実行していきましょう。
コメント