大学受験直前！12月の「学習スランプ」からお子さまを救う親御さんのための脱出ガイド

2025年11月28日

導入：親御さん、焦っていませんか？12月は「魔の時期」です

カレンダーが12月を指し示すとき、親御さんの胸には、期待と同時に、言葉にできないほどの不安が押し寄せているのではないでしょうか。
共通テストまで約1ヶ月、そして志望校の一般入試まで約1ヶ月半。
まさに「待ったなし」の状況です。

「うちのお子さま、最近なんだか集中できていないみたい…」
「過去問の点数が伸び悩んで、本人も落ち込んでいる」—。
このような状況を目にし、「このままでは間に合わないのではないか」と焦燥感に駆られるのは、親御さんとして当然の感情です。

しかし、この時期にお子さまが陥る「学習スランプ」は、決して特別なことではありません。
むしろ、これまでの努力が限界に達し、直前期の極度のプレッシャーに真剣に向き合っている「頑張りの証」なのです。
このスランプをどう乗り越えるかが、合格への最後の分かれ道となります。

ブログ主

この受験を間近にした時期には、誰でも不安を感じるに決まっていますよね。それは自分だけではないんですよね。

本記事では、親御さんの不安を解消し、お子さまを力強くサポートするための具体的な方法を、深く掘り下げて解説します。
感情論ではなく、客観的な事実と、親御さん自身が実践できる行動指針を知ることで、この「魔の時期」を家族一丸となって乗り越えましょう。

1. データで見る！12月に「お子さま」が陥るスランプの正体

親御さんがまず理解すべきは、お子さまのスランプが「気の緩み」や「努力不足」といった精神論で片付けられるものではない、ということです。
スランプの背景には、直前期特有の心身の疲弊と過度なプレッシャーが深く関わっています。

1-1. 受験生の約7割が経験する「受験うつ」の現実

受験勉強の長期化と直前期の追い込みは、お子さまの心に想像以上の負荷をかけています。
ある調査では、受験期間中に「受験うつ」を経験した受験生は約7割に上るという、非常に重い結果が示されています [1]。

ペンタ助手

7割って私は思ったよりも少ないと思いました。
8割、9割くらいになると思っていましたよ。

所長

とはいえ、人生をかけた試験となると、誰でもうまくいかない時が頭を過ると思うよ。
お子さまだって間違いなくそれを大なり小なり考えることでしょう

この「受験うつ」とは、正式な病名ではありませんが、過度なストレスによって引き起こされる抑うつ状態を指します。
具体的な症状としては、集中力の著しい低下、何をしても楽しくないという無気力感、睡眠障害、そして成績の急激な停滞や下降などが挙げられます。

みらい研修生

自分の部屋を無性に片付けたくなるというのは？

ペンタ助手

いや、そういうのいいから！

親御さんから見て「やる気がない」と映る行動の裏には、お子さまの心が発する深刻なSOSが隠されているかもしれません。
このデータは、学習スランプが精神的な疲弊のサインであることを強く示唆しています。
親御さんは、お子さまの様子を観察し、「勉強しろ」と責めるのではなく、まずは心身の休息を最優先させる姿勢が、何よりも大切になります。

1-2. プレッシャーと不安のピーク：受験生の94%が不安を感じる

12月は、受験生にとって「もう後戻りはできない」という感覚が最も強くなる時期です。
この時期の精神的なプレッシャーの大きさを裏付けるデータとして、別の調査では、受験生の94%が不安を感じているという結果が報告されています [2]。

ペンタ助手

そりゃ、試験が大好きという人なんていないだろうから、緊張したり不安になったりするのは当たり前だよね

不安は、受験生にとって避けて通れない感情です。
しかし、この94%という数字は、お子さまが抱える不安が、個人的な問題ではなく、受験生全体に共通する構造的な問題であることを示しています。

親御さんがこの事実を知ることで、お子さまの不安を「取り除くべきもの」として焦るのではなく、「誰にでもあるもの」として受け止めることができます。
親御さんがすべきことは、お子さまの不安を煽るような言動を避け、「大丈夫、あなたは一人じゃない」という安心感を家庭内に提供することです。
親御さんの落ち着いた態度と、揺るがない信頼こそが、お子さまの精神的な安定剤となり、スランプ脱出の土台を築きます。

ブログ主

家族だからできること、家族でしかできないことってあると思うんです。
お子さまにとっての「そのこと」って何でしょうか？

受験生の精神状態に関するデータ	割合	示唆されること	出典
受験期間中に「受験うつ」を経験した受験生	約7割	スランプは精神的な疲弊のサインである可能性が高い。休息が最優先。	[1]
不安を感じている受験生	94%	不安は受験生共通の感情。親の役割は不安を煽らず安心感を与えること。	[2]

このデータから、お子さまのスランプは、「頑張りすぎた結果の心身の疲弊」と「直前期の極度の不安」という二つの要因が絡み合って発生していることが明確になります。
次は、親御さん自身のストレスの現状と、その対処法を見ていきましょう。

[1] ict-enews.net: 受験生の約7割は受験うつを経験！？受験期間は心の健康に要…

[2] resemom.jp: 受験生の94%が不安、心の健康に注意

2. 「親御さん」も疲弊していませんか？家族のストレスの現状

お子さまのサポートに奔走する親御さんの皆様、少し立ち止まってご自身の心と体の状態に目を向けてみてください。
受験はお子さま一人の戦いではなく、親御さんも含めた家族全体のプロジェクトです。
お子さまの精神状態が不安定なとき、親御さん自身がストレスを抱えていると、その緊張感は必ずお子さまに伝わってしまいます。

みらい研修生

親御さんがドンッとしていれば、お子さまは安心するんだよね

2-1. 受験期にストレスを感じる家庭は約45%

「うちだけがこんなに大変なのか」と孤立感を感じる必要はありません。
ある調査では、子どもの大学受験を経験した保護者の約45%が、受験期にストレスを感じていたという結果が出ています [3]。
これは、親御さんの約2人に1人が、受験という期間に何らかの精神的負担を感じていることを意味します。

このストレスの主な原因は、お子さまの成績や進捗への不安、体調管理へのプレッシャー、そして家族間のコミュニケーションの難しさなど多岐にわたります。親御さんが抱える不安や焦りは、ごく自然な感情であり、「頑張っている証拠」なのです。この事実を認め、親御さん自身が自分を責めないことが、まず大切です。

ブログ主

たとえば親御さんが仕事が忙しく、夜も帰ってくるのが遅くなりがちだったりすると、お子さまと接する時間がないと思われる方も多いでしょう。
また、親御さんご自身が受験の経験がおありでないこともありますが、経験したことがないことにどうアドバイスをすればよいのか悩みがちではないかと思うのです。
それぞれのご家庭の事情の中で、親御さんが「自分はできていない」と嘆かれる必要はありません。

2-2. 「受験ママ」の重度ストレスと自己ケアの重要性

特に、日々の生活サポートや情報収集の中心となるお母様方のストレスは深刻です。東大の研究結果では、受験ママの55%が「重度のストレス状態」にあるという報告もあり、地域によってはその割合がさらに高まることも示されています [4]。

このデータは、親御さんの献身的なサポートが、時に過度な負担になっている現実を突きつけます。親御さんの頑張りすぎは、お子さまにとって「期待に応えなければ」という無言の重圧となり、スランプをさらに深めてしまう危険性があります。

親御さんがまずすべきことは、ご自身のストレスを認め、意識的に自己ケアの時間を設けることです。例えば、短時間でも趣味に没頭する、友人と話す、軽い運動をするなど、親御さん自身がリラックスし、穏やかな気持ちでいることこそが、お子さまを救うための最も重要な「第一歩」となります。親御さんの心の安定が、家庭全体の安心感につながるのです。

3. 【親御さんが今すぐできる】お子さまをスランプから脱出させる具体的な行動5選

お子さまがスランプに陥っているとき、親御さんは「何をすべきか」と迷うかもしれません。ここでは、親御さんが「自分にもできる」と感じられる、具体的で実践的なサポート方法を、その理由とともに深く解説します。

行動1：まずは「傾聴」に徹する（アドバイスは不要）

お子さまがスランプのとき、親御さんは「こうすればいい」「あの時ああ言ったのに」とアドバイスや過去の指摘をしたくなるかもしれません。しかし、この時期にお子さまが本当に求めているのは、問題解決のヒントではなく、「共感」と「安心感」です。

•具体的な実践: 「どうしたの？」「疲れてない？」と優しく声をかけ、お子さまの話を最後まで遮らずに聞くことに徹してください。親御さんが積極的にコミュニケーションを取ることを重視しているという調査結果もありますが [5]、大切なのは「量」ではなく「質」です。

•理由: お子さまの言葉を否定せず、「そうか、大変なんだね」と感情を受け止めるだけで、お子さまは「自分の苦しみを理解してくれる人がいる」と感じ、精神的な重圧から解放されます。この「安全基地」の存在こそが、お子さまが自力で立ち直るためのエネルギーとなります。

ブログ主

私は現在家庭教師をしていて、思うことがあります。
それは、親御さんの姿勢が家庭によってまちまちだということです。
それで決まって、お子さんの話を遮って自分がアドバイスしようとする親の場合、その生徒さんは自主的でなかったり、自分のやり方に自信が持てていなかったり、自由に考えを表現することが苦手だったりします。
受験を前にしたとき、「大丈夫かな？」と不安に思ってしまいます。
私は家庭教師ではお子さまの勉強に寄り添うことだけでなく、親の姿勢もきちんと見逃さずにチェックし、場合によっては調整を試みます。

行動2：勉強以外の「リセット時間」を確保する（罪悪感からの解放）

スランプの原因が心身の疲弊にあるならば、意識的に勉強から離れる時間を作ることが、最も効果的な脱出法になります。

•具体的な実践: 親御さんから「今日はもう休もう」「一緒に散歩に行こう」と提案し、勉強とは関係のない時間を意識的に設けてください。軽い運動、家族での食事、好きな音楽を聴く時間など、お子さまが心からリラックスできる時間が必要です。

•理由: お子さま自身は「休むこと」に罪悪感を抱きがちです。親御さんが「休んでいいよ」と許可を与えることで、お子さまは罪悪感なく休息を取ることができます。現役東大生も、スランプ時には心と体の両面からリセット法を実践していたと語っており [6]、休息は逃げではなく、戦略的な行動なのです。

ブログ主

受験生となると、その重圧から「いつも勉強していなければ差をつけられるかもしれない」というプレッシャーを感じがちです。
けれども、四六時中最高のパフォーマンス力は発揮できません。
状況によっては、あえて休んで力を蓄え、その後に集中して取り組んだ方が効果的なこともあります。その加減を客観的に判断できる力も、受験生には必要ですし、そこを無理していそうだと親御さんが気づかれたら、ぜひお子さまに声をかけてみてください。

行動3：食事と睡眠の「質」を徹底的に高める（脳のパフォーマンス維持）

直前期のお子さまにとって、脳のパフォーマンスを維持することは、何よりも優先すべき事項です。親御さんが最も力を発揮できるのが、この食事と睡眠のサポートです。

•具体的な実践:
①食事: 脳のエネルギー源となるブドウ糖を安定供給するため、バランスの取れた食事を心がけてください。特に、ストレスに対抗するためのビタミンB群や、集中力・記憶力をサポートするDHAなどを意識的に取り入れましょう。
②睡眠: 睡眠不足は記憶の定着を妨げ、精神的な不安定さを招きます。親御さんが生活リズムを整え、お子さまが最低でも6〜7時間の質の高い睡眠を確保できるよう、就寝前の環境（室温、光など）を整えましょう。

•理由: 脳と体は密接に繋がっています。親御さんの作る温かい食事と、整えられた睡眠環境は、お子さまの「頑張る土台」を物理的に支える、最も強力なサポートです。

ブログ主

食事と睡眠はいうまでもなく、体がより良い状態を維持するのに必要です。
時間は誰にでも平等に与えられています。
その中で人よりもリードすることを求めるとすれば、食事や睡眠の質を高めることが必要でしょう。

行動4：過去問や模試の結果に一喜一憂しない（未来志向の会話）

12月の過去問や模試の結果は、お子さまにとって大きなプレッシャーとなります。結果が悪いと、スランプをさらに深めてしまう可能性があります。

•具体的な実践: 親御さんは、結果の点数や判定に感情的にならず、「現状確認のための貴重なデータ」と冷静に捉えてください。お子さまとの会話では、「なぜ間違えたか」の分析と、「次どうするか」の前向きな計画に焦点を当てるよう促しましょう。

•理由: 親御さんが結果に動揺しないことが、お子さまの冷静な判断を助け、「失敗は成功のもと」という建設的な思考を促します。親御さんの落ち着いた姿勢は、お子さまに「結果がどうであれ、あなたは大丈夫」というメッセージを伝えることになります。

ブログ主

模擬試験のための勉強は、自分で特別に決めて計画的に望むという人は多くはありません。範囲が何分広い上に、どんな勉強をしておけばよいのかが判断しづらいからです。
教科によっては、学校の先生が過去の問題をプリントとして配付をしてくれるケースが多いでしょう。
それを解いてみて、試験の難易度や大まかな内容を掴むという高校生が大半だと思います。
その準備した内容とは大きく変わった内容や、別の傾向の問題が出題され、本来の力を発揮できずに終わるときもあります。
模試はあくまでも水物という感覚で見てほしいと思います。
問題はその結果を受けて、自分が以後どうするのかを明確にできるかが鍵でしょう。