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冬休みで差がつく!高校1・2年生の親御さんが今知っておくべき「受験準備」のポイント

「冬休みはたった2週間しかないし、本格的な受験勉強はまだ先でいいのでは?」 「せっかくの年末年始くらい、ゆっくりさせてあげたいけれど、周りは塾に行っているし……」 そんな葛藤を抱えている親御さんも多いのではないでしょうか。

実は、大学受験において冬休みは、学年を問わず「学習習慣をリセットし、次のステージへ進むための最重要期間」です。特に近年の入試は、単なる知識の暗記ではなく、土台となる基礎力に基づいた「思考力」が問われるようになっています。つまり、「直前の詰め込み」が通用しない時代なのです。

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とくに共通テストは読解力と素早い判断力が必要となります。親御さんの時代とは大きく異なっている形式の試験となっています。

今回は、高校1年生と2年生のお子さまを持つ親御さんへ向けて、この冬休みに家庭で取り組むべきこと、そして親御さんがどのように伴走すべきかについて、教育現場の最新トレンドを交えて、どこよりも詳しく徹底解説します。

所長

大学受験は、3年生からではありません。少しでも早く意識をして、準備を始める人にしか受験の神様は微笑んでくれませんよ


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この記事では、1年生、2年生、そして親御さんについての3つに分けて解説をしていきます!

目次

高校生活にも慣れ、部活動や行事に追われる中で、学習がおろそかになりやすいのが1年生の冬です。この時期は「中だるみ」のピークとも言われますが、ここでの過ごし方が、2年生以降の「貯金」になるか、あるいは取り返しのつかない「負債」になるかを決定づけます。

1. 苦手科目の「放置」を防ぐ:英・数の負の連鎖を断ち切る

高校の学習内容は、中学に比べて進度(授業の進み具合)が圧倒的に速く、内容も非常に抽象的です。特に英語と数学は「積み上げの科目」であり、一度つまずくと自力でのリカバリーが極めて困難になります。
1年生の冬に苦手意識があるまま放置すると、2年生の高度な内容が「呪文」のように聞こえ始め、最終的には「自分は勉強ができない」という思い込み(学習性無力感)に繋がってしまいます。
私の肌感覚では、高1の冬に基礎を放置したお子さまは、高3の夏になっても「高1の復習」に追われ、実践演習に入れないまま入試本番を迎えるという厳しい現実があることが多いです。

親御さんができること

まずは模試の結果や通知表を見て、感情的に「もっと勉強しなさい」と叱るのではなく、「今回の模試、解説を読んでみて自力で理解できそうなところはあった?」と、お子さまの「手触り感」を確認してみてください。

具体的なアクション

冬休みという短い期間で全範囲をやり直すのは不可能です。例えば数学なら「二次関数の最大・最小だけ」、英語なら「関係代名詞の基本ルールだけ」というように、「ここだけは完璧にする」という一点突破の復習を促しましょう。親御さんは「あれもこれも」と欲張らず、お子さまが選んだ一冊の薄い問題集を終わらせることをゴールに設定してあげてください。もしお子さまが自分で選べない場合は、「評判の良いこの薄い問題集、本屋さんで一緒に見てみる?」と提案するのも一つの手です。

2. 「3学期の予習」で自信をつけさせる:勝ち癖をつけるメンタルケア

冬休み明けの1月〜3月は、学年の締めくくりとして授業スピードがさらに加速し、4月からの2年生に向けた準備期間となります。ここで「授業についていけている」という感覚を持てるかどうかが、進級後の学習意欲を大きく左右します。予習ができていると、学校の授業が「答え合わせ」の場に変わり、挙手や発言が増えることで内申点にも良い影響を与えます。

親御さんができること

お子さまが「冬休み中に英単語を100個覚える」「次の定期テスト範囲の教科書を3ページ分だけ音読する」といった、「絶対に失敗しないほど低い目標(スモールステップ)」を立てるようサポートしてください。

褒め方のポイント

結果ではなく「プロセス」と「継続」を褒めるのがコツです。「今日15分も机に向かったんだね」「英単語、昨日より5個増えてるね」といった具体的な事実に基づいた称賛が、お子さまのドーパミンを活性化させ、学習を習慣化させます。親御さんは、進捗を厳しく管理する「上司」ではなく、小さな前進を一緒に喜ぶ「良き伴走者」としてのポジションを確立しましょう。3学期の最初の小テストで満点を取ることができれば、それが「自分はやればできるんだ」という強力な成功体験となり、2年生以降の自走力に直結します。

3. 文理選択・進路の「種まき」:将来を「自分事」として捉える

多くの高校で文理選択が確定し、具体的な志望校選びの入り口に立つのが1年生の冬です。しかし、現代のお子さまは情報が多すぎる一方で、リアリティのある将来像を描くことが難しく、「数学が苦手だから消去法で文系」「友達がみんな理系だから」といった、後ろ向きな理由で人生の岐路を選んでしまいがちです。これが3年生になってからの「志望校迷子」や、入学後のミスマッチの原因となります。

親御さんができること

将来の職業や大学での学びについて、夕食時や移動中など、リラックスした雰囲気で対話する時間を意識的に設けてください。

対話のヒント

親の時代の常識(「大手企業なら安泰」「この資格があれば一生安心」など)を押し付けるのではなく、「今の社会には、あなたの好きなゲームに関わるこんな新しい仕事があるらしいよ」「あなたのこういう優しさは、医療や福祉の現場で大きな強みになるかもね」といった、お子さまの個性に合わせた広い視野を提供してあげることが大切です。大学の公式サイトで最新の研究内容を一緒に眺めたり、活躍している卒業生のインタビュー動画を観たりして、受験を「苦しい壁」ではなく「自分の未来を切り開くワクワクする冒険のチケット」へと昇華させていきましょう。この「納得感」こそが、受験勉強の最大のエネルギー源になります。


大学受験の世界では、2年生の1月(共通テスト時期)からを「受験生0学期」と呼びます。もはや「高2」ではなく「早期受験生」なのです。この冬休みが、現役合格への実質的なスタートラインであり、ここで「自分は受験生だ」というスイッチを入れられたかどうかが、志望校合格率、さらには第一志望への執着心に直結します。

1. 「主要3教科」の総復習を完了させる:基礎の完成期限は「今」

難関校合格者の共通点は、高2の冬までに英語・数学の基礎(教科書レベルの問題や英単語・文法の基本)をほぼ完璧に終わらせていることです。3年生になってから理科や社会、あるいはより高度な論述対策に時間を割くためには、この冬が英・数を固める「最後の猶予期間」となります。ここで基礎に穴があるまま4月を迎えると、模試の判定が上がらず、夏以降に焦って精神的に追い詰められるリスクが高まります。

ブログ主

2年生の段階でいわゆる積み重ねの強化である英語と数学において、基礎的・標準的な内容が確実に理解できていないと3年生の時にどんなことが起こる?

ペンタ助手

演習をしていても毎回復習をしなければならないから、入試につながる勉強がしづらくなりますね

みらい研修生

ああ、3年生になっても、わからないところを教科書を開いて確認するってやつ?

ブログ主

そう。そんなことやっていたら、スムーズに問題を解くことができないから、効率が悪くなるよね

親御さんができること

学習内容そのものに口を出すよりも、「集中できる環境のプロデュース」に徹してください。

具体的なサポート

冬休みは生活リズムが崩れやすいですが、入試本番は朝から始まります。「受験生0学期」として、朝8時には机に向かえるよう、決まった時間に温かい朝食を用意し、部屋のカーテンを開けて日光を取り入れるといった物理的なサポートが、お子さまの脳を「受験モード」に切り替えます。また、冬場は冷えが集中力を奪います。足元を温めるヒーターや、適切な湿度を保つ加湿器を用意するなど、「快適な環境作り」を追求しましょう。「勉強しなさい」と10回言うよりも、静かで快適な環境を1つ整える方が、お子さまには何倍も響きます。

2. 志望校・入試方式の「具体的」な情報収集:敵を知り、己を知る

新課程入試の導入により、現在の受験は親御さんの時代とは全く別物になっています。科目の増設や配点の変更、外部検定試験(英検など)の利用状況、共通テストと二次試験の比率など、戦略一つで合否が分かれるのが今の受験の厳しさです。お子さまが一人でこれらすべての膨大な情報を精査するのは時間がかかりすぎ、肝心の勉強時間が削られてしまいます。

ブログ主

親御さんがご自分の受験体験で判断をしたら、ミスリードしてしまうこともあります。最近の受験事情やシステムをよくご確認ください

親御さんができること

お子さまが目指している大学の最新の入試要項や、2025年度からの変更点をぜひ一緒にチェックしてみてください。

戦略的アドバイス

例えば「この大学は共通テストの情報の配点が高いから、冬休み中に一度サンプル問題を解いておこうか」「英検を今のうちにスコアアップしておくと、本番の英語が満点換算になるね」といった具体的な話を共有しましょう。親御さんが最新情報を正確に把握していることは、お子さまにとって最大の安心材料であり、精神的な支えになります。「情報戦」を共に戦う司令塔として、予備校の保護者向けセミナーや公式SNSなどをフル活用して知識をアップデートしていきましょう。

3. 模試の結果を「分析」の材料にする:感情の波をコントロールする

この時期に受ける模試の結果を見て、判定に一喜一憂するのは禁物です。「E判定」であっても、今の時期ならいくらでも逆転の可能性があります。大切なのは判定のアルファベットではなく、「正答率50%以上の基本問題でどこを落としたか」という精密な分析です。失敗を放置すればそのままの学力ですが、失敗を分析すればそれは強力な武器になります。

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定期試験にしろ、対外模試にしろ、点数や偏差値といった数字に関することはことさら言いすぎないようにしましょう。受験というのは状況に波がありますし、それはお子さまが出くわす問題一つ一つにしてもそうです。踏み込みすぎると、お子さまにとっては逆効果となりますし、結果主義はこの時点でお子さまに違った価値観を植え付けることにもつながります

親御さんができること

模試の結果が返ってきたとき、お子さまが落ち込んでいるなら、「今の時期に弱点が見つかったのは、本番で間違えないための最大のギフトだよ」と、ポジティブなリフレーミング(言い換え)をしてあげてください。

マインドセットの共有

家庭を「評価の場所」にしてしまうと、お子さまはプレッシャーで潰れてしまい、塾や学校でも安らげなくなります。家庭はあくまで、模試でボロボロになった心を癒やし、「次はどう対策するか」を冷静に考えるための「軍議の場であり、安全基地」であるべきです。親御さんがドシッと構え、「あなたがどんな判定でも、応援する気持ちは変わらない」という無条件の肯定的関心を示し続けることで、お子さまは失敗を恐れずに高い目標に挑戦し続けることができるのです。


最後に、学年を問わず、この冬休みに親御さんに意識していただきたい「家庭の環境作り」の極意を、さらに深掘りしてお伝えします。

「勉強しなさい」を封印し、感謝と労いを伝える

冬休みはクリスマスや正月など、本来なら遊びたいイベントが目白押しの時期です。そんな中で誘惑と戦いながら机に向かっているお子さまは、それだけで十分に素晴らしい努力をしています。「まだやってるの?」「もっと効率よくできないの?」といった否定的な言葉や、周囲と比較する言葉は、脳の扁桃体を刺激し、学習効率を著しく低下させます。代わりに「毎日コツコツ机に向かっていて感心するよ」「寒い中、塾まで通って本当にお疲れさま」といった労いの言葉をかけてください。心が満たされ、安心感を得ているとき、脳の記憶を司る海馬の働きは最大化されます。

食事と健康管理という、親にしかできない「最強の武器」

大学受験は、単なる知識の勝負ではなく、究極の「体力・気力勝負」です。冬場はインフルエンザ、ノロウイルス、そして乾燥による喉の痛みなど、多くのリスクが潜んでいます。親御さんにしかできない最大のサポートは、脳を活性化させるレシチンやDHAを含んだ栄養バランスの取れた食事、そして身体を温めるスープや生姜料理などを提供することです。また、夜食には消化に良いものを用意するなど、細やかな気配りがお子さまのモチベーションを支えます。この「衣食住の絶対的な安定」こそが、どんな高額な予備校の特別講習よりも、お子さまが不安にならずに合格へ突き進むための強固な土台となります。

デジタルデバイスとの付き合い方を「建設的な契約」にする

現代の受験勉強において、スマホやSNSの誘惑は避けて通れません。これらを無理やり取り上げる強権的な手法は、多くの場合、親子関係の修復不可能な悪化や、隠れての使用、さらには嘘をつく原因を作ってしまいます。代わりに、「勉強中のスマホはリビングの決まった場所で充電する」「夜23時以降は家族全員がスマホを触らない」「勉強の合間の15分だけは自由に使う」といった、お子さま自身が納得した「契約」を交わしてみてください。親御さんは「監視役」として目を光らせるのではなく、お子さまが自分自身で決めたルールを守り通せるように優しくサポートする「マネージャー」であり、「応援団長」であるべきです。


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親御さんの中には「私、何もできないんです」と委縮される方がおられます。それにはさまざまな要因があると思いますが、それがどうであれ、一つ言えることは、お子さまの親という役割は誰とも代えられないということです。それだけ特別なポジションにおられるのだということです。親御さんしかできないこととは何でしょうね?

冬休みは短い期間ですが、お子さまが「親に言われる勉強」を卒業し、自分自身の人生を自らの手で切り開き始めるための、極めて大切な「助走」の期間です。1年生なら「学習習慣の土台作りを通じた自信の獲得」、2年生なら「早期受験生としての覚悟と基礎固め」。それぞれの課題に対して、親御さんが適切な「距離感」と「温かいサポート」を提供することで、お子さまの顔つきは驚くほど頼もしく、凛々しいものへと変わっていきます。

この冬の家庭での対話と、小さな一歩の積み重ねが、1年後、2年後の春に、家族全員の大きな歓喜と笑顔として結実することを、教育の現場から心より応援しております。

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