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2024年度国公立大学前期入試・最新ニュース紹介

univercity

2月下旬に、国公立大学では、前期入試が行われました。
それに関する最新ニュースを紹介します。

とはいっても、大学側の不祥事のことをニュースにしても、前向きな話になりませんし、これから受験する皆さんには全く関係のない話ですので、そのような「ノイズ」は除きます。

ということで、今日は2つのニュースをYahoo!ニュースより選びました。
どうぞこのニュースから大学入試の流れやトピックスを知っていただければと思っています。

目次

京大入試、志願者総数は3年連続で増加

 SAPIX YOZEMI GROUPによる京大合格を目指す受験生のための総合情報サイト「京大研究室」は2024年2月28日、2024京大入試状況「一般入試 志願状況」を公開した。志願者総数は3年連続で増え、過去10年でもっとも高い志願倍率となった

 2024年度京都大学一般選抜の志願者数は、前年度比383人増の7,800人。2021年度まで減少が続いていたが、3年連続で増加。特色入試の欠員を含む最終的な募集人員でみた志願倍率は2.94倍。過去10年でもっとも高くなった。

 学部・学科別にみて対前年度で増加幅が大きいのは、工学部理工化学科122.0%、総合人間学部(理系)115.6%など。一方、減少幅が大きいのは、教育学部(理系)76.2%、工学部情報学科89.0%など。志願者数では、特に法学部や工学部物理工学科で増加した。

 文系に類する学部・学科は、すべて前年度から志願者が増加。中でも経済学部(文系)、法学部の増加が目立った。経済学部(文系)の志願者は、過去10年で最多の575人。法学部は、前年度の志願者減の反動からか766人と大きく増加。前年度まで4年連続で志願者が減少していた文学部は、ほぼ横ばいで下げ止まった。

 理系に類する学部・学科は、工学部や理学部などで志願者が増え、工学部は全体で188人増加。工学部の学科では、地球工学科で近年増加が続いているほか、物理工学科は2005年度以降で最多の志願者が集まった。理学部は2年連続増加し、2019年度以来の800人超えとなった。

Yahoo!ニュース「【大学受験2024】京大入試、志願者総数は3年連続で増加」

受験生が選ぶ学部は、将来的に重視されるジャンルであることが多いでしょう。そういう意味では、これから宇宙に関する科学技術や関心が大きく向けられる時代となるだろうと、多くの方々は想像できるのではないでしょうか。

さて、受験者の動向は、その大学や学部を目指している人にとっては、非常に気になる情報でしょう。

京都大学を受験する層は、同時に大阪大学や神戸大学も照準を向けた受験生たちでしょう。
京都大学の受験者が増えたということは、それらの大学への受験者が流れて来たのか
また、共通テストの点数が両校であれば、そもそもそのような大学は考えていなかったけれども、ワンチャン狙ってチャレンジしてみようと考える受験生がその分増えたのか…。
そのあたりの検証は、受験生はしておくべきでしょう。

関西にはさまざまな大学が乱立していますが、それぞれに個性があり、うまく受験生のすみ分けがなされているという特徴は、この記事を読みながら改めて知ることができました。
この時期、このような受験傾向のニュースが多く流れる中、受験生にとっては些細な情報も気になって仕方がないものでしょう。
けれども、それに左右されずに、とくに後期の受験生は、自分の力を発揮することにこだわってほしいと思います。

埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃

 今年の入試問題の中で、驚きの問題が出題されました。埼玉大学の入試問題で、なんと2022年度とまったく同じ問題が出題されたのです。

 英語の第3問・自由英作文の問題なのですが、問題文が2022年度と一言一句まったく同じなのです。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

このニュース記事を見たとき、一瞬出題ミスのニュースかなと受け止めた方も少なくなかったのではないでしょうか。
ちなみに、今回話題になった問題はこれです。

これを日本語に訳すると、こういうふうになります。

2つの対立する意見を出しているあたり、なんだか小論文のテーマみたいですね。
そうなると、「もしどちらの意見を支持するか?」というだけの問題であるなら、「多くの資金をかけるべき」派と、「かかるお金を地球のために使うべき」派の2つに分かれるだけとなりますが、同時に具体的な理由などを裏付けとして述べなければなりません。

宇宙の話ですか!
これはそのジャンルのことを知っていなければ、語れないこともあるでしょう。

そもそも過去問と同一問題とは、どういうことでしょうか?

実は、この内容の問題は、過去にも他の大学で出題されたことがあるようです。

 2012年の早稲田大学の政治経済学部でも、「次の文章を読んで、賛成か反対かを、最低でも2つ以上の理由と併せて英語で答えなさい。『Space exploration is a waste of money.』」というような問題が出題されています。大学入試において、「宇宙探索にお金をかけるべきか否か」についてはよく出題されていると言えるのです。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

12年前に早稲田大学が出題していたようです。
これを知っていて、埼玉大学でも出題したのでしょうか?
それはわかりませんし、それ自体問題ではないのですが…。

ところで、この手の問題は、意外と手こずる問題であるようです。

 その理由としては、宇宙探索に関しては「反論」を作るのが難しいからだと言えます。この問題は、知識量で対応できない良問なのです。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

問題の内容がそうさせているようです。
宇宙探索をせずにいた方が良いということを支持する考えはかなり限られそうです。

さて、それはもとより、こんな疑問が湧きませんか?

「まったく同じ問題を出題する意図は何なのか?」 

純粋に埼玉大学が意図もないのに、こんなトリッキーな出題はしてこないでしょう。
ヘタすれば出題ミスと見られるかもしれないし、他の大学がなかなかしない方法に対して批判の声も上がるかもしれないのにです。

実は、以前に東京大学の日本史の問題において、類似した事例がありました

過去に出題された問題の悪い解答例を見て答えを考えさせる問題!
これは盲点です。
過去に悪い例として挙げられた内容を解答にした人が、この問題を見たらどう思うのでしょうか?
このブログの中の人よりもちょっと年上ですねぇ…(自主規制で)

 大学側にとって入学試験は、「受験生のそれまでの努力や知識量・能力を測るもの」ですよね。そう考えると、大学側として「いい入試問題」とは、「それまでの努力や知識量・能力に応じて、解ける人と解けない人がはっきり分かれる問題」だと言えます。

 きっと、今回の埼玉大学の問題も、1983年の東京大学の問題も、「解ける人と解けない人がはっきり分かれた問題」だったのではないでしょうか。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

これは間違いなく言えますね。大学側は、きちんと考え、自分の意見をきちんと持てて、それを適切に表現できる人を優秀な学生だとするでしょう。大学は、これくらいのことが答えられる人に学生になってもらいたいと、受験生に対して示す権利があります。

ところで、埼玉大学がこのような出題をすることにリスクはなかったのでしょうか?
たとえば受験生からクレームが出るなど。

 なお、今年度の埼玉大学の入試要項には、『本学は、「入試過去問題活用宣言」に参加しており、個別学力検査において、本学だけでなく「入試過去問題活用宣言」参加校の過去問題を利用する場合がある。』との記載がありました。

 「過去問とまったく同じ問題が出題された!」とSNSでは話題になりましたが、埼玉大学は事前に入試要項でも記載しており、それに則って出題したのだと思われます。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

きちんと大学側には想定内のことだったようです。
ただ、学生がこの記載まで目が通せたのは謎です。
そこだけ小さく書かれていたというような姑息な方法は取っていないとは思いますが、受験生が熟読せずに知らなかったというケースはあり得ます。

ただ、過去問を解いていない人に不利になるのではと思う人も少なからずおられるでしょう。

塾や予備校は、各大学の予想問題を作成します。それを的中させられれば、鼻高々に次の年にPRできるというものでしょう。けれども、さすがに過去2~3年の問題の酷似問題すら作成はしないでしょう。おそらくそのような意味では埼玉大学はそのような業界の「常識」を裏切ったのかもしれません。そういう意味では、まさに「平等な」入試が行われたのかもしれません。

 今回のような問題が出ると、「やっぱり過去問の勉強しなきゃな」と考えて過去問を見て、「自分が行きたい大学は、どんな問題を出題しているのか、どんな人材がほしいと考えているのか」をしっかり考えて受験勉強をするようになると思います。

 いずれにせよ、受験の歴史に一石を投じる、伝説的な一件だったと言えるのではないでしょうか。

Yahoo!ニュース「埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは」

これで、大学受験の対策に幅ができましたね。また、受験生は過去問をしっかり身につけておかなければならないかもという姿勢に変わることでしょう。
そのような受験生の姿勢を大きく変える「問題の」問題となったことは事実です。

みらい研修生

しっかりと過去問を解いて対策をしてきた人には驚きの問題だっただろうね

ペンタ助手

受験生によっては、「罠か間違いじゃないか?」って思ったかもな

所長

まさか2年前の問題が出るとは、受験生も学校も塾も予想していなかっただろうね。
この件で対策の枠が広がってしまったね

ペンタ助手

入試要項に謳われていたというけど、どれくらいの人が読んでたんだろう?

所長

翌年の入試は新課程の1年目の入試になるから、タイミング的にもちょうど良かったんだろうね。

大学側が過去に出題した問題を再び出題する場合、その問題の質が悪ければそれはするはずないですし、狙いがあるからこそそれは行われるものでしょう。
同時に問題の構造として、考察が難しい問題、内容的にはこれからのテクノロジーとして話題として盛り上がり、知っておくべき事、これを織り込み済みで、入試要項に断り書きをしている、ここまで他の大学がおおよそ行わない方法に対しての予防線を張り、埼玉大学の個性をそこで打ち立てる取り組みに、私は称賛の気持ちを表したいです。
国公立大学の受験をするのに、過去問も手をつけていない人って論外なんじゃないかと思います。そういう意味では、「過去問を解いていない人に不公平だ」という意見に対しては、「過去問すら解いていない人が、土俵に上がれるとでも?」と反論したいのです。

これを受けて、大学受験のあり方がどう変わっていくのか、楽しみです。
受験生はたまったものではないとは思いますが…。

さまざまな試験のタイプはある

今回は大学受験に関する2つのニュースを取り上げました。

さまざまな形で出題される入試問題に対応する力をお子さまにはつけていただきたいと思います。
結局本当の学力を身につけた受験生が、試験の形態や内容に左右されず、自分の力を出せるからです。

そのためにも、日頃からの思考力や「なぜ?」という問いに真剣に向かい合う姿勢を、お子さまにもたせてください

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