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子どもの受験を応援する親がやってはいけないNG行動

お子さまが大学受験を目指して、毎日努力をしていかなければならないのですが、親としては心からお子さまの大学受験がうまくいって欲しい、できるだけ万全な準備をさせたいと思うあまりに、お子さまにとってマイナスな影響を及ぼす言動をとってしまうこともあります。それによって、お子さまのパフォーマンスが逆に落ちてしまうケースにもつながりかねません。

この記事では、お子さまが大学受験に向かって行く中で、親御さんが取ってはならないNGな行動について紹介します。

目次

親がやってはならない行動

まずは親がやってはならない行動から紹介をします。

①親の価値観を子どもに押し付ける

お子さまの過ごし方や姿勢を見ると、今まで受験や社会生活を経験をしてきた親御さんにとって、アドバイスをしてあげたくなってしまう場面もあるのは当然のことでしょう。程度が過ぎれば、親御さんの価値観をお子さまに押し付けてしまうことになります。

たとえばお子さまに志望校について口出しをしたり、自分が許す大学や職種しか受けることを許さない今の勉強法にダメ出しするなどがそれにあたるでしょう。

その背景には、次のような親の思い込みがあります。

  • お子さまはまだ子どもだから、大学や社会がわかっていない
  • 私は人生経験を積んでいるから、私の方が正しい
  • 子どもは親に従うものだ
  • お金を出すのは親だから、親の意見が反映されて当然だ

けれども、大学受験の当事者はお子さまです。ですから、お子さまこそ、大学受験のことを考え、感じ、毎日取り組んでいるのです。

それで、親からこのような指図をされると、お子さまは次のように考えるでしょう。

自分の事を理解してくれていない

自分のことを親に否定された

結局自分が思った通りにしたいだけなんだ

もう親に相談するのやめよ

ペンタ助手

そういえば、あるお母さんが「うちの子どもは何も話してくれないんですよ。本当に子どもはこんな感じで大丈夫でしょうかねえ?」と言っていたなあ。

所長

意外とこのパターンがあるかもしれないね。大丈夫かと心配しなければならないのは親の方だったりして。

このケースの、もう1つ恐ろしい点があります。それは、このようなことに陥ってしまえば、お子さまの大学受験へのモチベーションが大幅に下落してしまう点です。「親に言われたからやる気がなくなった」ということです。

お子さまは親御さんとは異なる能力や傾向をもっています。であれば、親御さんの価値観でうまくいくであろうと考えることが、必ずしもお子さまに適した方法だとは限りません。むしろ、学校の先生や塾の講師といった受験のプロが、お子さまに日々の学習の中で伝えているはずなのです。それに対してお子さまが多少なりとも反発しているかもしれません。けれども、心のどこかでそれは注がれているはずなのです。それは親御さんが見ていないところで行われています。

このような不幸なことを回避するためには、親が子どもの気持ちを尊重してあげることです。もちろん子どもさんにはまだ見えていないこともあるでしょう。それがもどかしくてついついお子さまに言ってしまうんです。けれども、その行為がお子さま自身や、これからのお子さまとの関係について、プラスになるかマイナスになるかをよく考える必要もあります。

②子どもの大学受験について関心をもっていない

では、子どもの考えることを尊重し、何でも子ども任せにしていれば良いのでしょうか?それも違います。それはたとえばこのような場合です。

  • お子さまが志望している大学・学部を知らない
  • お子さまが真剣に質問をしてきたことに誠実に答えず、学校や塾に丸投げする
  • どのような日程で受験やその準備をするのかを知らない
  • お子さまが志望する大学の志望動機を知らない
  • お子さまが受験について何に悩んでいるのかを知らない

親だからお子さまは頼ろうとすることがあります。お子さまによっては、親にしか頼れないという場合もあります。それなのに、お子さまを突き放すような態度をとれば、お子さまは途方に暮れてしまいます。そして悪く働けば、お子さまがネガティブ思考に陥りやすくなってしまい、別の心配をしなければならないことも注意が必要です。

恐らくその根底には、「親がそもそも勉強のことが苦手」「受験の経験が親自身になく、どうさせていいかわからない」といった不得手意識からくることが多いでしょう。あるいは、受験生はとかくナーバスになりやすいため、あまり関わりすぎてお子さまを神経質にさせてはならないといった思いから、お子さまに遠慮するという場合もあります。

そもそも親は全知全能である必要はありませんし、事実そうではありません。親が教師でなければ、大学受験というのは専門外であって、わからないことだらけです。大学に行った事がある親の場合は、自分の経験を思い出しながらお子さまに伝えることはあっても、それでも受験制度や大学の様子は、数十年を経れば、大きく変わっているでしょう。

親は知らなくても、それは恥ずかしいことではありません。わからないものはわからないと言える大人がカッコいいのです。そしてたとえば勉強のことや大学の情報などについては、学校や塾のプロにお任せするところはお任せして、親にしかできないことを努力しましょう。それはお子さまのメンタルや健康面を支えるということ、そして将来必要となる資金を確保することです。

また、知らないなら知らないなりに、お子さまが目指そうとしている大学や、そのための受験の方法について調べ、最低限お子さまが直面していることを共有することはやるべきでしょう。そのようなぎこちなくもひたむきな姿勢をお子さまが見た時、「自分のために頑張ってくれているんだ」という思いをもち、さらに受験に向けてお子さまは前向きになれるのではないでしょうか。

あるノーベル平和賞を受賞した偉人は言いました。
「愛」の反対語は「無関心」である
と。
「お子さまのことはわからない」というのはあり得ません。

③別の人と比較する

人は誰でも他と比較されるのは好きではありません。とくに自分の方が劣っているとみなされているときは、その思いは強く、反発さえ感じます。その比べる相手が遠いところにいる、接点もないような人であればまだ良いのですが、とかく兄弟や友人で比べられるケースが圧倒的であり、親はそのような秤によって、お子さまを傷つけていることもあります。

他の人と比べる例としては、たとえば次のようなケースでしょう。

  • 親の昔話や成功談を聞かせる。「自分たちの時代はね…」
  • きょうだいの話を持ち出して、そのきょうだいの方が良い取り組みをしたと話す。「あんた、◯◯を見習いなさい」
  • 全く異なる分野を目指す(目指した)人の話を聞かせる
  • お子さまのいる場所で、大学に合格した人を大げさに賛辞する。しかも複数人数で。

たぶん親御さんは、良かれと思って、お子さまを激励するために言っていると思いますが、当のお子さまは、プライドを傷つけられています。周りに別の人がいようものなら、お子さまは屈辱的な体験としてその言葉は刻まれることでしょう。

ペンタ助手

これはえげつない刑罰だな

所長

親御さんにしてみれば、お子さまが奮起してくれるために言っているんだろうけどね…

みらい研修生

きょうだい間で言ってたら、親が子どもたちの不和を作ってしまいかねないね。しかもそのとき親は、できのいい方の味方になるだろうし。

もし、お子さまと比べる人が別の大学や学部であれば、その比較は何の意味も持ちません。戦う土俵が違うため、ナンセンスなのです。また、個人個人で頑張るペースや方法はあるものです。口にしていなくとも、静かに思いを燃やしているお子さまだっています。

こんな親のやり方で、お子さまはやる気が起こるでしょうか?親に心を許すでしょうか?

④子どものプレッシャーになることをする

大きなことを成し遂げるには、適度な緊張感やプレッシャーがある方が良いです。しかしながら、その「負荷」が大きすぎれば、たちまちパフォーマンスがガタ落ちしてしまいます。これに関してはNGな言葉としてお子さまに投げつけられます。

  • 今の頑張りが足りないと言ってお子さまを煽る
  • 不合格になれば後はないと思わせる
  • 芳しくない模試や試験の結果を取り上げて、不安にさせる

この背景には、

  1. 世間体を気にしている
  2. 成績を上げてもらいたいが、お子さまとのコミュニケーション法を間違えている
  3. お金が気になっている

などが考えられます。

もちろんお子さまには大学受験で合格し、成功してもらいたい(根本的な話、「合格=成功」なのかは置いておいて)気持ちから、お子さまには中途半端な気持ちでは大学受験に臨んでほしくはないと思うものです。けれども、それを伝えた結果、お子さまがプレッシャーを感じてしまい、伸びるはずの学力が停滞してしまえば、親御さんの言動は逆効果となります

また、お子さまに与えなくてもよいストレスを与えてしまいます。
将来ブラック企業で、身を粉にしてまでたくましく働いてほしいのであれば、構いませんが…。

⑤お子さまの努力や成績を否定する

親御さんの目からお子さまの取り組みをご覧になったとき、たしかにその努力が足りないように感じたり、ご自分の学生時代の場合と比べて、それに匹敵しないと感じることもあるでしょう。そのような場合、何かとお子さまがやって来たことや試験での成績について物言いをつけたくなりがちです。

たとえば次のような場合です。

  • 模擬試験や定期試験・実力テストなどの成績をダメ出しする
  • とにかく偏差値しか見ない
  • 成績が悪いと、勉強以外のことが、学習の障害だと思う

学年が上がるにつれ、受ける模擬試験の回数が増えてきます。さまざまな業者が実施している模擬試験を受けるため、さまざまな傾向の試験を受けます。そこには試験との相性があったり、難易度の違いがあったり、場合によっては学校の授業で習ったばかりで、完成度を高めないうちに試験で出題をされるというケースもあります。体調がナイーブなお子さんであれば、体調かれこれが原因であることも十分あり得ます。

試験の点数や偏差値にこだわる、というかそれしか見ない親御さんがおられます。けれども、たとえば定期試験では1学期よりも2学期の学習内容がより深く、複雑化しますので、2学期の点数が落ちて当たり前であることが多いです。いや、1学期の試験問題にサービス問題が多かったと考えてもいいくらいです。たとえば数学でいうと、
「式の展開や因数分解をする問題よりも、2次関数の問題の方が易しいでしょうか?」
ということです。

みらい研修生

数学の場合
・1学期…代数学
・2学期…幾何学・関数理論
というパターンだから、2学期は鬼門だね。
「2学期の中だるみ」っていうけど、半分正解で半分違うわけだよ。

ペンタ助手

他にも2学期の試験範囲は、1学期期末試験後からの範囲となり、結果、2学期の2回の試験で取り扱われる内容は、7月~11月の学習内容と、かなり長期間を占めているのも、2学期の成績を伸ばしにくい理由になるんです。


また、模試の偏差値について述べましょう。実は模試によって、それを受ける学校が異なります。つまり母集団が模試によって異なるのです。それぞれの模試を受けるかどうかは、各学校が判断して選びます。いわゆる進学校と呼ばれる学校しか受けない模試を受ければ、その偏差値は下がるでしょう。ですから、異なる実施団体の模試どうしを比べることは安易にはできません。

所長

たとえば難易度は河合塾>ベネッセ>地方の共通模試みたいな傾向はあるね。

成績が上手く伸ばせない場合、それを一番気にして、考えているのはお子さま本人ではないでしょうか?やらなければならないことはわかっています。いくらのんきなお子さまといえども、失敗はしたくないのです。頑張りや努力が足らない、そんなこと言われなくても感じているのです。親御さん自身がお子さまの傷口に塩を擦り込んでいる現状は、意外と多くの場面で見受けられます。

⑥過干渉やお節介な行動をする

お子さまにはきちんと勉強をして、着実に大学受験の道を右にも左にも逸れずに歩んで行ってもらいたい、これが親御さんの偽らざる本心でしょう。その親心は大切です。そういった目でお子さまを見つめることは、とても大切です。

けれども、度を超すと、お子さまにとって足かせになってしまうので注意が必要です。
たとえば次のような場合です。

  • 勉強法について口出しをする
  • 何かにつけ「勉強しろ」と言う
  • 勉強をしているかどうか、確認しにせわしく部屋に見に行く
  • よく事実を確認もしないで、受験や大学の誤情報をお子さまに流す
  • 「ホントに大丈夫?」のように、必要以上に心配しているようなネガティブな質問をお子さまに投げる
ペンタ助手

うわ~、あるわ~!

所長

こういう親御さんはたしかに多いかもしれないね

無関心な親よりは良いのかもしれませんが、お子さまが重い腰を上げて勉強しようと思い立った時に、親が来て
「勉強してないじゃないの。早くしなさい」
と言ってしまえば、お子さまは次の瞬間、勉強に対するやる気は0になってしまうでしょう。

タイミングが悪いという不幸が、大学合格から一歩遠のけてしまいます。

親御さんから見れば、
「のろのろしないで、手短に勉強を終わらせれば何の問題もないのに」
と思ってしまうのもわかる気がします。

こまめに親に見に来られても、お子さまは集中力を欠いてしまいます。お子さまは当事者です。親御さんよりもピリピリしているはずです。お子さまに不必要なストレスを与えないようにしましょう。

また、親らしいところを見せようと、どこで仕入れて来たかわからない情報を下手にお子さまに与えないようにしましょう。大学や受験の情報は、年ごとに変わっていきます。また、新聞やネットニュースの情報も、書き手の視点や情報の対象がお子さまの受験とは異なるものであれば、お子さまは混乱すること必至です。情報の信ぴょう性のこともあるので、それは学校や予備校などに任せましょう。

みらい研修生

この記事もネットの情報だよな。
信じるか信じないかはあなた次第です。

所長

都市伝説か!

お子さんが安定する親御さんの行動

親御さんの行動次第で、お子さまの状況は変わります。お子さまが最大限の力が発揮できるようになる、親御さんの行動について紹介します。

①お子さまを信じること

今まで述べてきた親御さんの「悪手」は、「お子さまはまだ未熟だ」という思いが原因であることが多いようです。たしかに経験を積んできた親御さんから見れば、これから人生を切り開こうとしているお子さまの考え方や取り組み方はまだまだと感じる場合も多く、ついつい口を挟んだり、アドバイスをしたくなったりしたくなるのもわかります。

けれども、お子さまはお子さまなりに考えていることもありますし、親御さんの見えないところで頑張っているかもしれません。また、お子さまなりの計画や思いを知らずにいると、何かの拍子でお子さまの自尊心や努力を否定して、お子さまの自主性ややる気を台無しにしてしまう危険性もあります。

ですから、ある程度はお子さまの自立のために、信じてあげることは大切です。そのような親御さんの姿勢をお子さまが感じ取ってくれたなら、お子さまが悩むことに直面したとき、お子さまの方からサインを出してくれるはずです。その時は親御さんの出番でしょう。

②すべてのネガティブを捨てる

大学受験は、その段階のお子さまにとって、今まで経験をした事のない大きな節目を迎える大転換期であり、ナーバスになりやすい状態であるはずです。ちょっとしたことでも自分のしていることが正しいか気になるものです。今の状態でもいいのか心配になります。

そのような状態では、親御さんの言葉や行動は、お子さまに大きな影響力を与えます。とくに神経質なお子さまは、小さなひとつひとつが、プラスかマイナスかを気にして一喜一憂します。実に不安定な状態になりやすいのです。

そこにきて親御さんの態度がお子さまに対して否定的であれば、お子さまに大きなダメージを与えてしまいます。お子さまにとって最大の援助者であるはずの親御さんが、最も大きな阻害要因となるのはナンセンスです。

どのような行動や言葉も、ネガティブ要素をなくしていきましょう。親御さんはお子さまのことが心配でしょう。けれどもその数倍もお子さまは不安なのです。

親御さんの姿勢次第で、お子さまのモチベーションやメンタルが違います。お子さまにとっての最善を尽くそうとするのが親御さんの基本的な姿勢であるならば、お子さまにどう対すればよいかの結論はすぐに出るはずです。

③親の役割を知り、それに徹する

人間にはそれぞれの立場があり、役割があります。親御さんはお子さまにとって親です。

親の役割とは何でしょうか?
その答えはいろいろとありますが、そのひとつに「お子さまを守ること」があります。

もちろん乳児や幼児の時期と比べて、お子さまにべったり付いて面倒を見るという時期は過ぎました。
そのかわり、疾風怒濤の時期特有の揺れ動く気持ちと、社会人を目指そうとする際の不安が、お子さまに襲い掛かる時期です。
そこで必要なことは、精神面でのフォローです。お子さまには多くの大人やクラスメイト、友だち、先輩、後輩がいることでしょう。そのような人間関係の中で、自分の気持ちを共有したり、学んだりすることも多いはずです。けれども最終的に頼りになり、どのような時も自分を認めてくれるのは家族のはずなのです。とくに親は、自分ではどうしようもない問題に解決を与えてくれる存在だという認識をもっています。

そのようなときの親の役割とは、お子さまに安心感を与えることです。ときどき親御さんの経験を(押し売りではなく)お子さまが活かせる形で伝えればいいでしょう。お子さまはそこで自分のスタンスを確認し、これからの歩みの方向性を得られるでしょう。

また、とくにお母様であれば、健康面のフォローとして、食事を考えて作ってあげることも、お子さまにしてあげられることのひとつです。親御さんは、お子さまの生活環境を整えることで、お子さまの後方射撃をしてあげられるという、大きな役割がこなせるのです。

お子さまの学力を上げること、それは家庭学習や普段の物事の考え方を気にしてもらうだけでいいでしょう。あとは学校や予備校・塾などのプロに任せればよいのです。

まとめ

お子さまは大学受験に向けて、勉強をはじめ、日々努力をしています。しかし同時に大学受験は親御さんも一緒になって勝ち取らなければなりません。親御さんのお子さんへの姿勢はそれを大きく左右します。

親御さんがお子さまに関わるとき、あまりにもお子さまを思うがためにかえってお子さまに負担を与えたり、やる気をなくしたりする「悪手」も取るリスクがあることを知っていただかなければならないでしょう。親は自分が何をしたいのかではなく、お子さまが何を求めているのかにフォーカスを当てなければ、やり方を間違えてしまうでしょう

お子さまに対してどのような姿勢でいるべきか悩んだ親御さん、最近お子さまが素直でないと感じておられる親御さんへの解決となれば幸いです。

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