今や高校生の多くは大学を目指します。一般的なライフステージのひとつとなったともいえるでしょう。
ところで、お子さまが大学を目指したいと思っているとき、なぜお子さまが大学へ行きたいのかといった志望理由が気になりませんか?
本気で大学に行きたいと思っているのか?
そこで勉強をしようとしっかり思ってくれているのか?
ちゃんと自分の人生を見据えたうえで考えているのか?
費用も馬鹿になりません。だから明確な理由をお子さまから聞きたい。
それが親御さんの本音ではないでしょうか。
また、世間の高校生はどう考えているのかも気になるところでしょう。
この記事では、高校生が大学を目指したい理由について紹介します。
主要な大学志望理由
大学の志望理由は人それぞれでしょう。けれども、大学の場所やレベルによらず、ある程度同じような理由が出てくるものです。その理由は以下のとおりです。
就職のため
「大学へ行って、専門的な知識や技術を学んで、就職をしたい」という考えをもつ高校生は、実に多くおられます。それは、多くの高校生の掲げる人生設計が、高校→大学→就職となっているからです。ある意味就職の準備のために大学へ行くという価値観でしょう。
より高い学歴を得るため
就職を考えるとき、大学を出ていれば、有利に働くのが実際のところです。大学を出ている人が仕事ができる人かどうかはまた別なのですが、少なくとも大学に合格するために実際努力し、結果を出したということや、より高度な学問を学んできたということは評価できるでしょう。
就職した後も、その人がどこの大学の出身かということを、会社の人(とくに上司)から気にされるというケースも少なくないようです。
また、親御さんが「大学は出て、立派な会社に勤める」ということをお子さまに言い聞かせているという場合もあります。
専門的な学び・資格取得のため
職種によっては、必要な資格がある場合があります。そうでなくとも、仕事をする上で、そのプロフェッショナルになるべく、専門的な知識を得て仕事に就きたいと考えるのは自然です。
大学はそのようなニーズに応えてくれます。そのために、大学で学び、仕事に活かしたい、自分のスキルをつけ、ステータスを上げたいという動機をもつ学生は少なくありません。
やりたいことを見つけたい
意外と高校生の中には、自分がどの分野に向いているのか、将来どのような職業に就きたいかがはっきりしない人も一定数います。自分の得意なことや好きなことがわからない、あるいはあっても飛び抜けた能力ほどではないと自分で判断してしまい、確信をもって将来進むべき道を絞り込むことができない状態です。それだけに、高校時代には本気でどの大学を目指して良いのかわからない時期が長く存在することが特徴です。
とりあえず、高校の勉強をしていて、割と得意な教科を軸とした学部をとりあえず選び、大学の場所も地元か近隣の地域を選ぶことが多いでしょう。
自分がやりたいことがなかなか見つからないというのは、決して悪いことではありません。高校生からすれば、これから未経験の世界に突き進んでいく、情報が少ない世界についての決定を強いられるので、自分にとって何が正解かを判断しかねるわけです。それもまた勉強。もちろん動機が他の人よりも薄いでしょうから、人一倍勉強をしたり、アンテナを広く張る必要はありますが、大学での新しい出会いに期待するのも悪いことではないのではないでしょうか。
みんなが行くから・みんなが言うから
その意見の良し悪しは置いておいて、「友達がみんな大学志望だから自分も大学を目指す」「先生が大学に行けというから大学に行くことにする」ということで大学を目指す高校生もいます。
結果、それでうまくいく人もいると思いますが、大学とは、本来学生が自主的に学ぶ場です。人に言われて勉強するのではありません。大学側も、そのような学生を欲しいと考えています。
大学を目指す上で、他人に依存する動機では、大変な受験勉強も効果的ではなくなるでしょう。お子さまの方から「自分は大学で○○を勉強したい」という意思は感じられるでしょうか?
各アンケート結果から見る大学へ行きたい理由
それでは、具体的な統計を紹介しましょう。
リセマム 「大学に入学した理由」アンケート
2013年3月15日~3月31日に、リセマムが首都圏の大学2~4年生を対象として実施したインターネットアンケートで、116人の回答を得たものをまず紹介します。
(出典:リセマム 『大学に入学した理由、最多は「就職のため」50%』)
前に紹介した理由が解答されています。
下の方の「みんなが行くから」とか「なんとなく」っていう動機はどうなんでしょうね?
5人に1人が、「みんなが行くから自分も行こう」となってるってことだね。自分の意志を持って大学は目指した方が充実するのは事実だね
日本人の同調圧力すごいな
ベネッセ教育総合研究所 「大学への進学理由」アンケート
次に、ベネッセ教育総合研究所が「大学における学習況や大学生活の実態」についてのアンケートを行った結果を紹介します。
その中で、「大学への進学理由」について、各項目に対して「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「ぜんぜあてはまらない」の4段階評価で回答を求めたものです。その結果が以下のとおりとなっています。
(出典: ベネッセ教育総合研究所 『進路選択に関する振り返り調査』より)
このアンケートでは、「将来の仕事に役立つ勉強がしたい」という理由が、全体の約8割にのぼっていることがわかります。全体的に学び、スキルを磨くことに目的をもっているという理由が多めな印象があります。
まとめ
親御さんからすると、高校生の考えをうかがい知れるのがお子さまに限られる場合、他の高校生がどのような考え方をしているのか、お子さまの考えが遅れているのではないか、外れた考えをしていないか気になるところでしょう。今日は高校生が大学進学に対する一般的な意識について紹介しました。お子さまとの話題の参考にしていただければ幸いです。
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